3年生では、環境をベースとした地域づくりの現場を見に行くことをゼミ活動の一つに挙げており、今年は以前から気になっていた栃木県にあるサシバの里自然学校を訪問しました。
自然学校とは、「自然観察、自然体験などを自然を舞台とした環境教育、 理科教育、アウトドア活動などを教える学校」(日本環境教育学会編『環境教育辞典』教育出版、2013年)の事を言います。1980年代では10にも及ばなかった自然学校ですが、2011年の調査では約3,700も存在していました。元々は、子どもを対象に学校週五日制や体験不足への対応でしたが、今や地域活性化に取り組む自然学校が増えています。
サシバの里自然学校では、保全×遊び×教育の3つを中心に、子ども達への生き物調査や農的暮らしの講義などを行っています。


1時間半ほど、代表の遠藤氏から活動の説明や質疑応答をした後、実際に、田んぼで生き物調査を行いました。昨今、幼少期に自然体験を行っていない若者が増え、虫嫌いの若者も多い中、ゼミ生は楽しそうに生き物を捕まえてました。



市貝町ではサシバの保全を掲げた地域づくりを行っており、道の駅では展示もされていました。

以下、学生のレポートの一部抜粋です。
「日々の学びとは異なり、体を動かして学習できる機会は少ないため、とても新鮮で楽しくとても懐かしい気持ちになった。短い時間で限られた場所での体験であったが、予想以上に様々な種類の生物が生息しており、驚いた。また、この自然体験を通じて無意識のうちに自然との距離が過去の自分と比較して遠くなっていたなと感じた。自分自身が思うより自然は身近で、自然の生活と密接に繋がっているものだと再視認し、より環境の変化に敏感になることが必要であると考えた。この1日を通した活動で、紫前が豊かであることは当たり前ではなく、生態系を守るためにも環境保護は必要不可欠であり、その中でも自然学校は重要な役割を担っているのだと学ぶことができたと考える。」
「今回、サシバの里自然学校での訪問を通して、環境がもたらす地域への効果として特に自分はまちづくりという観点から様々な事を学んだ。さらに今回の経験として、体験することの重要性やおもしろさに気がつくことができた。多くの場合、自分は知らないことに対して抵抗を感じることが多い。実際、虫取りや野外活動に関して前向きではないところがあった。しかし、体験してみることで、思っている以上に楽しむことができた。体験を経て、自分が先入観から行動を起こしづらい傾向にあることが分かった。」
「今回の見学では、自然学校の存在意義や環境保護の大切さ、自然をビジネスにすることのやりがいや難しさを学んだ。自然学校の存在意義として最終的な目標は、地域の農村資源を活かして経済を持続的に回す仕組みをつくり出すこと、子どもたちに環境を学び自らふれあってくれるようになることだとわかった。」
「私は全く捕まえることが出来なかったが、この体験を通して、まるで童心に帰ったような気持ちになれたのが何よりの収穫だった。普段の生活ではつい忘れてしまいがちな自然の楽しさを感じることができ、自然というものに今よりもっと関心を持とうと考えた。」